絵本紹介3
こうしておじさんは自分の孤独を見詰め直して、
人々と同じように生きる人となるのです。
傘という物の本質を実感することをとおして、
自分のあり方を悟ったおじさんの心が、
読む大人には身につまされるかもしれません。これはいささか深読み……。
現代人は色の魔術に弱いようで、絵本もつい色彩に目を奪われがちです。
色は雰囲気に傾き、絵本本来の絵が物語る力を弱める働きをしがちです。
絵本の絵が物語る力は、一概にはいえませんが線と形と構図、
さらに場面の連続性と変化が大切です。
また細部の描き込みと、想像力に巧みにさそいかける余白の効用も大切です。
以上の要素をこの絵本は完壁に備えています。
これはドイツで版画の技法を修得した、この画家ならではの表現です。
子どもの美意識を大きく変える経験になる絵本でしょう。