世界に成功者はたくさんいた その2
●アドモス・シューズ社
労働力の安いラテン・アメリカやアジアとの競争に負ける一方だった靴業界で、アドニはわずか数年のうちに驚くほどの成長を遂げました。
「同業者は、私のしていることの意味を知る由もない。みんな、工場閉鎖で青息吐息だ。こちらは、事業の拡張やら、競売に出た設備や在庫を買い取るのに忙しい。そうだろう。いくら私だって、新品の設備や機械を正価で買ってばかりはいないさ」
かつて雑誌『タイム』は、「救いを求める3つの産業」と題した記事(85年10月7日号)で、「アメリカの靴産業は救い難い」と決めつけました。
その記事で南カリフォルニア製靴組合のセイモア・ファリブは、「靴産業は滅びる運命」だと述べていました。
しかしアドニは、「アメリカの靴屋は怠漫なだけだ。アメリカ人ときたら、誰もがアジアやラテン・アメリカには価格で、ヨーロッパにはスタイルで後れをとらないかと戦々競々としている。アメリカの靴屋が成功するには、最新のスタイルをいち早く採り入れ、手早く作って客に提供することだ」
と、肩をすくめて言ったそうです。